父との箱根旅行 箱根・翠松園 水の音

2017.04.23  渡邉達朗

北陸新幹線が開通し富山へ帰りやすくなったころから、温泉好きな父を旅行に連れ出したいと考えていた。帰省するたびにいろんな温泉地を候補にあげて話をしていたのだが、有名な温泉地はほとんど行ったことがあるようで、なかなか目的地が決まらない。

そんななか箱根に行った時の思い出を話したところ、熱海や伊豆は経験があるが、意外なことに箱根には泊まったことがないことがわかった。東京から近いだけに、大阪で勤務していた父にとっては縁遠かったようだ。

目的地が決まれば、あとは簡単。あまり混雑してない時期で仕事を休める日を確認し、父が楽しんでくれそうな宿を調べては帰省時に相談していた。箱根といえば富士屋ホテルが有名だが、父は洋室より和室、ベッドより布団を好むので、和風旅館でよいところはないか探す。

旅のしおり
日程やプランが決まったら、今度は旅のしおり作り。父に喜んでもらいたくて、箱根に行く前に東京駅付近で食事する時間を設け、移動中も箱根登山鉄道などを楽しんでもらえるよう工夫する。移動手段や今回泊まる宿の紹介、名所マップなどをまとめたのだが、気合いを入れすぎて結構なページ数になってしまった。切符と一緒に富山に送り、父が心配しないよう電話で詳しく説明した。

北陸新幹線
そしていよいよ旅の初日。北陸新幹線で東京駅まで来てくれた父を迎えにホームへ向かう。

「日本橋 伊勢定」のうな重
せっかく東京まで来てくれたのだから、美味しいものを食べてもらいたいと思い、大丸東京店のレストランフロアへ移動。父の好きなものを選んでもらった結果、「日本橋 伊勢定」のうな重に決定した。

小田原城址
父や妻と昼食を取ったのち、東海道新幹線「こだま」で小田原へ。ここで急遽、父の希望で小田原城址へ向かうことに。残念ながら桜はほとんど散っていたが、数々の巨木に感動する父の言葉を聴き、立ち寄ってよかったと思った。

箱根登山鉄道
小田原から箱根登山線に乗り箱根湯本駅へ。

箱根湯本
箱根十七湯の中で最古の温泉場、箱根湯本の街を父や妻とぶらぶら歩く。

箱根登山鉄道
再び箱根登山鉄道に乗り、目的地である小涌谷駅へ。スイッチバックを父に経験してもらいつつ説明するのが楽しい。

箱根・翠松園
1日目の宿は、箱根小涌谷温泉にたたずむ「箱根・翠松園」。清々しく風雅なその名は、かつて三井家の別荘として知られた文化財「翠松園」を敷地内にそのまま残したことに由来する。

箱根・翠松園
全ての部屋に源泉掛け流し露天風呂が用意されており、温泉を楽しみながらテレビも見ることができるのは贅沢だ。

箱根・翠松園
今回泊まる部屋はメゾネットタイプで、庭にハンモックが設置された「宏(ふかし)」。

箱根・翠松園
1階には玄関と畳敷きのリビング。

箱根・翠松園
2階に主寝室と露天風呂を備えた2階建てタイプの部屋となっており、3人でも十分広くゆったりとした時間を過ごせる。

箱根・翠松園
部屋にネスプレッソマシーンが備わっているのも嬉しい。たくさんあって選ぶのに苦労するほど。

箱根・翠松園 鉄板焼き
夜は大正14年に建築されたメインダイニングへ。かつて三井家の別荘として使用され、国登録有形文化財に指定されている趣深い和風建築「翠松園」。その中にプライベート感を重視した客室や、鉄板を前にしたカウンター席、マホガニーやウォルナットの木肌がぬくもりを感じさせる「Bar伊都」が設けられている。

箱根・翠松園 鉄板焼き
今回は人気の鉄板焼きコースを予約済み。食事が始まる前にシェフから丁寧な説明があり気分が上がる。

箱根・翠松園 鉄板焼き
カウンター席でライブ感あふれる料理の数々を見るのはすごく楽しい。

箱根・翠松園 鉄板焼き
まずは父や妻とシャンパンで乾杯。

箱根・翠松園 鉄板焼き
前菜は旬の貝三種。

箱根・翠松園 鉄板焼き
スープは地鶏のクネルと春野菜のコンソメスープ。

箱根・翠松園 鉄板焼き
本日のお造りはカマスと鯛。見た目も味も素晴らしい。

箱根・翠松園 鉄板焼き
魚料理は金目鯛のグリル。青海苔とヒジキ、2種のソース。

箱根・翠松園 鉄板焼き
箸休めにグリオットのソルベ。

箱根・翠松園 鉄板焼き
肉料理は厳選黒毛和牛のサーロインかフィレを選べる。今回はフィレを選んだが、熟成された肉の旨味が感じられる逸品だった。

箱根・翠松園 鉄板焼き
お好み焼きを焼いているように見えなくもないが、この付け合わせの野菜炒めもすごく美味しかった。

箱根・翠松園 鉄板焼き
食事はジャコとかりかり梅の焼飯またはガーリックライスが選べるが、今回はガーリックライス。留椀は赤出汁。

箱根・翠松園 鉄板焼き
食後の水菓子は桜のムースと苺。

箱根・翠松園 鉄板焼き
どの料理も素晴らしい味わいで、父も喜んでくれたので本当に嬉しかった。担当してくださったフレンチシェフの新井さんには感謝の気持ちでいっぱいだ。

箱根・翠松園
大浴場にも触れておきたい。部屋についているお風呂だけでも十分快適だが、やはり大きな露天風呂は楽しいものだ。湯上がりにビール、コーヒー牛乳、ヤクルト、アイスキャンディーなども用意されており、細かい所まで気遣いが感じられる。

箱根・翠松園
部屋の冷蔵庫に入っている「湯あがり堂サイダー」や瓶ビール、オリジナルブレンドのアイスティーも飲み放題なので、風呂上がりに美味しくいただいた。

箱根・翠松園
こんな高級な宿は初めて利用したのだが、接客スタッフの対応も素晴らしく、父も満足してくれたようで本当に嬉しかった。

箱根・翠松園
「箱根・翠松園」で迎えた2日目の朝。他に客のいない貸し切り状態の大浴場で、すがすがしい緑を眺めながら露天風呂につかるのはとても気持ちがいい。ゆっくり風呂につかったあとは、園内を散歩した。

箱根・翠松園 朝食
朝食会場は昨夜と同じ「レストラン紅葉」。

箱根・翠松園 朝食
二階の部屋なので眺めがいい。

箱根・翠松園 朝食
朝食は和食と洋食が選べるが、今回は和食を選んだ。

箱根・翠松園 朝食
土鍋で炊いたごはんは絶品。お腹いっぱいでもお代わりしてしまう。

箱根・翠松園 朝食
食後のデザートは器も素敵。

箱根・翠松園 朝食
最後に水出しアイスコーヒーをいただく。

箱根登山鉄道
箱根旅行2日目は父の希望でまず大涌谷へ。ケーブルカーやロープウェイを乗り継いで向かう。

大涌谷
モウモウと煙をあげる大涌谷の様子に見惚れる父。硫黄の匂いもどんどん強くなる。

大涌谷
大涌谷は約3000年前の箱根火山最後の爆発によってできた神山火口の爆裂跡。2015年6月に火山活動が活発化した後は噴煙が増えており、江戸時代に「地獄谷」と呼ばれていたことを彷彿とさせる景色が広がっている。強烈な硫黄の臭いや荒涼とした風景を堪能したので、次は強羅公園へ向かう。

箱根強羅公園
大正3年に開園された箱根強羅公園は、箱根登山ケーブルカーの沿線にあり、公園自体の傾斜も強い。噴水池を中心とした左右対称のフランス式庭園で、一年を通じて四季折々の花を楽しめる。

サンドイッチ料理「一色堂茶廊」
強羅公園の花々を堪能したあとは、噴水横にあるサンドイッチ料理「一色堂茶廊」でお昼ごはん。 父は自然有精卵のだし巻きサンドを注文。

サンドイッチ料理「一色堂茶廊」
自分は迷ったすえ、妻と同じフレンチトーストにした。

ポーラ美術館
お腹が膨れたら、次の目的地を検討。父に行きたいところを尋ねたところ、ポーラ美術館で絵画を観たいというので、さっそく向かうことにした。

ポーラ美術館
箱根・仙石原にある「ポーラ美術館」はモネやルノワールなど印象派の作品を中心に、国内外から集めた約1万点ものコレクションを持つ。訪れたときは開館15周年を記念した「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」展が開催されていた。

箱根小涌谷温泉 水の音
箱根を散策したあとは、2日目の宿「水の音」にチェックイン。箱根小涌谷の静寂な地に佇むこちら、小涌谷温泉と宮ノ下温泉の2種類の源泉が楽しめるのが嬉しい。7つある湯殿も大浴場、露天風呂、貸し切り露天風呂と多種多彩。

箱根小涌谷温泉 水の音
今回の部屋は、新館「水花の庄」の露天風呂付き和洋室。

箱根小涌谷温泉 水の音
落ち着いた雰囲気の客室にはテラスと露天風呂を完備しており、ちゃんと畳敷きのエリアもあるので父のために布団もひける。

箱根小涌谷温泉 水の音 炙り会席
夕食は全席掘りごたつスタイルの「つつじ亭」で炙り会席をいただく。前菜は蛍烏賊の蕗含ませ、鶯豆腐、鯛子琥珀寄せ、鍵蕨、鶏玄米揚げ、花弁百合根など。

箱根小涌谷温泉 水の音 炙り会席
造りは鰆、勘八、袖烏賊、富士鱒。

箱根小涌谷温泉 水の音 炙り会席
煮物は春鯛道明寺蒸し。

箱根小涌谷温泉 水の音 炙り会席
炙り焼は和牛カルビ、味麗豚ロース、平貝、鰆、鶏香草焼き、赤海老、アスパラガス、まこも茸、新里芋、ほど芋、パプリカなど。

箱根小涌谷温泉 水の音 炙り会席
箸休めはとろ鰹南蛮漬け。

箱根小涌谷温泉 水の音 炙り会席
最後は水菓子で終了。

箱根小涌谷温泉 水の音
箱根小涌谷温泉「水の音」で迎える2日目の朝。敷地内の庭園へ耳を傾ければ、川のせせらぎが聞こえてきて風情がある。

箱根小涌谷温泉 水の音
水花の庄を出て庭園への道をたどると、3つの貸し切り露天風呂「楓の湯 紅葉」「楓の湯 黄葉」「はな樽の湯」がある。好きなときに訪れて、空いていれば自由に入ることができるのは快適だ。

箱根小涌谷温泉 水の音
貸し切り露天風呂もいいが、やはり大きな温泉につかりたいもの。館内には綺麗な露天風呂付きの大浴場が2つあり、それぞれ小涌谷温泉と宮ノ下温泉の2種類の源泉が楽しめるようになっている。

箱根小涌谷温泉 水の音 朝食
温泉に入ってリフレッシュした後はお食事処で朝食。和食を中心とした御膳をいただき、今日一日の活力を養う。

箱根小涌谷温泉 水の音
食後はラウンジ「糸竹茶屋」で無料サービスのコーヒーをいただく。爽快な緑がとても気持ちいい。ゆったりした時間を過ごしたのち、「水の音」をチェックアウトして宮ノ下へ。

富士屋ホテル
箱根宮ノ下は江戸時代より箱根七湯のひとつとして慕われている。明治時代に入り、日本初の本格リゾートホテル「富士屋ホテル」が開業したことを機に、外国人向けのリゾート地として発展した。

富士屋ホテル
1878年創業の老舗「富士屋ホテル」の社寺造りの外観やクラシックな趣の室内、歴史を偲ばせるアンティック調の家具や芸術的なインテリアなどを、父や妻と3人で見てまわる。

富士屋ホテル
中庭でしばし父と鯉の餌やり。

富士屋ホテル
富士屋ホテルの庭園に面したティーラウンジ「オーキッド」の雰囲気を父が気に入ったのでお茶することに。

ティーラウンジ「オーキッド」
喜劇王・チャップリンが富士屋ホテルを訪れたのは昭和7年。彼の母国でもある英国の伝統的紅茶アールグレイを使用したオリジナルプリンがあったので頼んでみた。

ティーラウンジ「オーキッド」
父はコロンビア産の希少豆をフレンチプレスでいただく「ゲイシャコーヒー」と、富士屋ホテル特製フレンチトーストを注文。

富士屋ホテル
富士屋ホテルには急遽誘ったのだが、父も妻も喜んでくれたようで、立ち寄って本当によかった。

箱根登山鉄道
昼食を取ったり、おみやげを買ったりしたあと箱根登山線に乗車。小田原駅で東海道新幹線「こだま」に乗車し東京駅へ。

北陸新幹線
北陸新幹線ホームで父の見送り。寂しそうな笑顔を見ると、なんとも言えない気持ちになる。近々時間をつくって、また富山に帰省しようと思った。

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