フォントのふしぎ

2011.05.10  渡邉達朗

独Linotypeで活躍されており、映画「Helvetica」の日本語字幕も監修された小林章氏の著書。出版されてすぐに購入し、楽しく読ませていただいたのだが、紹介するのがすっかり遅くなってしまった。

この本には「ブランドのロゴはなぜ高級そうにみえるのか」「Xは2本の斜め線は実は繋がっていない」「Aの右側の棒が太い理由」「ブルガリのロゴはなぜUをVと綴ったのか」といった、欧文フォントにまつわるトリビアがいっぱい載っている。欧米の街中で撮影した写真も数多く掲載されており、ガイドを聴きながら海外の街を散歩するように、ごく普通の人でも楽しく学べるだろう。

街角の看板や映画のタイトルなど、普段我々が目にする文字がどういう背景をもつフォントで組まれているのかを知れば、何気ない日常の風景がより面白く見えるようになる。小林氏の文章がもっと読みたくなった方は、以下のブログも是非目を通していただきたい。

●デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
http://blog.excite.co.jp/t-director/

●ここにも Futura
http://kokofutura.exblog.jp/

最後に、本書に出てくるアドリアン・フルティガーさんの言葉はとても印象的だったので引用させていただく。

「スープを飲んだあと、使ったスプーンの形がありありと思い出せるようなら、そのスプーンのデザインは悪かったということだ」

コメントをどうぞ

CAPTCHA


フォントのふしぎ

2011.5.10

デザイン, 趣味・実用書