探偵 神宮寺三郎 DS ~赤い蝶~

2011.04.03  渡邉達朗

時間を見つけては少しずつプレイしていたのだが、ようやく「探偵 神宮寺三郎DS ~赤い蝶~」をクリアした。念のため知らない人に紹介しておくと、この作品は歌舞伎町に事務所を構える私立探偵「神宮寺三郎」を主人公とした推理アドベンチャーゲームの15作目で、DSでは4作目にあたる。

メインシナリオも少し紹介しておこう。とある日の昼下がり、神宮寺探偵事務所を国会議員・佐伯正臣の秘書が訪れる。 「数日後に控えた資金パーティーを中止しろ……」 そう要求する電話が『赤い蝶』を名乗る者からかかってきたのだと言う。『赤い蝶』――それは20年前にあった東城産業爆破事件の犯人・檜山恵一が名乗った名である。そして、檜山はその事件以後20年間行方をくらましていた。その男がなぜ、今になって……? 神宮寺は調査するが、檜山の痕跡は見つからない。電話はただのイタズラか? それとも……。

そして、迎えたパーティー当日、高級ホテルの会場にぞくぞくと集まる佐伯の後援者達。パーティーは何事もなく、整然と進む。だが、その時、突如として会場に爆音が轟くのだった――。次々と起こる爆破事件、押し寄せるマスコミ。愉快犯か? 20年前の爆破事件との関係は? そして「赤い蝶」の正体は?!

シリーズ初の爆弾事件であり、いつもは地味な依頼が多い神宮寺の新たな一面が見られる素晴らしいストーリーなので、歴代のファンも楽しめるだろう。

本作には上記「赤い蝶」の他に、DSiウェアで配信された「椿のゆくえ」「明けない夜に」「果断の一手」「連鎖する呪い」「亡き子の肖像」の5作が収録されており、どのシナリオも読み応えがあり面白かった。改めて、人情味溢れるお話は神宮寺にとてもよく合うと思う。

最後にちょっと要望を書いておくと、ここ最近リリースされた作品では、DSというハード上の制約からか、バーかすみや関東明治組の登場頻度が下がっており、煙草を吸うコマンドも無意味化しているので、なんとか時代錯誤で大人な神宮寺の復活にも期待したい。

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探偵 神宮寺三郎 DS ~赤い蝶~

2011.4.3

アドベンチャーゲーム