本日、Movable Type クラウド版において「ウェブサイトURL」の設定機能に不具合があることが判明した。弊社クライアントでも導入いただいているところが増えているので、情報共有のため現状分かっていることをここに記録しておく。
まず、Movable Type クラウド版で初期ドメインを使用してウェブサイトを作成した場合、ドキュメントルートは「/data/file/static」になる。そして「ウェブサイトURL」に初めて独自ドメインを設定すると、「ウェブサイトパス」は「/data/file/static/独自ドメイン名」に変更される。
ところが、「ウェブサイト URL」に設定した独自ドメインを別の独自ドメイン(サブドメインを含む)に変更する動作を繰り返すと、「ウェブサイトパス」が1世代前の設定になってしまう不具合があることが判明した。
シックス・アパート社は本問題を認識しており、将来のバージョンアップにて対応予定ということだが、現状においては対策ができないため、ひとつのウェブサイト上で何度も独自ドメインを変更することは避けて欲しいとコメントしている。
いったんテスト用のドメインで構築したあと、本番ドメインに切り替えることはよくあるケースと思われるので、この記事を公開することで同様の問題に遭遇し困る方が一人でも減ることを祈る。また、できるだけ早いタイミングでの根本的な解決をシックス・アパート社には実施してもらいたい。
<2018年2月23日追記>
上記の問題をシックス・アパート社に報告していたが、その後報告は得られず、こちらから再度確認したところ、2月21日にリリースしたMovable Type 6.3.7で不具合は解消されたという返答があった。
●Movable Type 6.3.7 リリースノート
https://www.movabletype.jp/release-notes/637.html
[MTC-10801] マルチドメインで利用しているとき、ドメイン名を変更するとサイトパスが変わってしまう問題を解決しました。
しかしながら、修正された内容はこちらが想定していたものと異なり、一度変更した「ウェブサイトパス」は二度と変更されないというものだった。以下にシックス・アパート社からの返答も引用するが、この仕様だとテスト用のドメインに変更してしまうと、二度と変えられなくなってしまう。Movable Type クラウド版でサイトを構築する方は、この問題に悩まされないよう、くれぐれもご注意いただきたい。
Movable Type クラウド版の本来の仕様は、作成済みウェブサイトの「ウェブサイト URL」をほかのドメインに変更した場合も、「ウェブサイトパス」は作成時のパスのまま固定され、変更されない、という動作になります。
バージョン 6.3.6 まで発生していた問題は、「ウェブサイト URL」のドメインを 3 回以上変更すると、本来固定の「ウェブサイトパス」が変わってしまう、というものになります。
【変更前】
ウェブサイト URL: https://旧ドメイン/
ウェブサイトパス: /data/file/static/旧ドメイン【変更後】
ウェブサイト URL: https://新ドメイン/
ウェブサイトパス: /data/file/static/旧ドメインMovable Type クラウド版の仕様は「ドメインを変更してもウェブサイトパスは固定のまま変更されない」動作のため、上記の状態は仕様通りの正常動作となります。
もしバージョン 6.3.6 のままですと、上記の状態からさらに「ウェブサイト URL」を別のドメインに変更した場合に「ウェブサイトパス」が変更されてしまい、結果としてウェブサイトが表示されないという問題が生じます。
しかし、現在は 6.3.7 ですので、もしこれから「ウェブサイト URL」のドメインを変更しても、「ウェブサイトパス」は「/data/file/static/旧ドメイン」のままとなり、正常に動作いたします。