人口2千人に満たない山奥にある寒村、雛見沢に惨劇が起きた。建設中だったダムの現場監督が殺された上、四肢をバラバラに切断されたのだ。犯人たちはすぐに自首したが、主犯格の男だけは現場監督の右腕と共に行方不明。ついに発見されることはなかった。以来、雛見沢では毎年一人が死んで一人が消えるという「雛見沢連続怪死事件」が発生するようになる。雛見沢の人々は、これを土地の守り神「オヤシロさま」の祟りと呼んで恐れた。
都会からこの地へ引っ越してきた前原圭一は、平穏な日々の中でダム現場の事件とオヤシロさまの祟りの存在を知る。雛見沢の暗部に興味を持った圭一に対し、人々は一様に口を閉ざすのだった。
そして「綿流し」の祭りの夜、雛見沢連続怪死事件の影が、圭一を徐々に呑み込もうとしていた……。
「ひぐらしのなく頃に 祭」は、同人サークル07th Expansionが製作したサウンドノベルゲーム「ひぐらしのなく頃に」をプレイステーション2に移植したもの。原作のシナリオ執筆及びキャラクターデザイン・CGは竜騎士07が担当していたが、移植される際キャラクターデザインは原作とは大幅に変更されている。
また、原作においてはストーリー展開に影響を与えるような選択肢が存在しないのに対し、本作では序盤にプレイヤーが選択した行動によって中盤以降の展開が分岐する。これは原作のシナリオがすべて同時間軸上にあるので、一本のソフトにまとめるべくアレンジされたためである。
原作ファンからは好ましくない改変があったということで叩かれているようだが、初めて最後までプレイしたのが本作だったためか素直に楽しむことができた。ゲームとしての自由度は極めて低いのだが、個性の強いキャラクターやループするストーリーにどんどん惹きこまれる。印象的なBGMや声優の演技も素晴らしいと思う。
残虐なシーンが多く万人向けとは言えないが、非常に面白い作品だったので、結末が異なるという原作もプレイしてみたい。