角川映画第1作目にしてミステリー映画の金字塔、横溝正史原作の「犬神家の一族」。日米をまたにかけて捜査を続ける刑事を松田優作が演じ、日本映画初の本格的ニューヨークロケが話題になったヒューマンサスペンス「人間の証明」。薬師丸ひろ子のデビュー作であり、高倉健演ずる元自衛隊員が巨悪に立ち向かうアクション大作「野性の証明」。
2018年4月13日に東京国際フォーラムで開催された「角川シネマ・コンサート」では、特別編集された名シーンを観ながら、3作品のサウンドトラックを手掛けた映画音楽界の巨匠・大野雄二と“SUKE-KIYO”オーケストラによる生演奏を楽しむことができた。
大野雄二といえば「ルパン三世」のイメージが強いかもしれないが、「犬神家の一族」や「人間の証明」などの劇伴にも素晴らしい曲は多い。本公演の為に特別に編成された総勢約50人にも及ぶスペシャル・オーケストラ・バンドを引き連れ、自らステージで演奏する奇蹟の公演を聴くことができたのは幸せだ。4時間に及ぶ演奏は圧巻の一言で、特にアンコールで大野雄二による「犬神家の一族」のピアノソロが聴けたのは最高だった。
「犬神家の一族」をはじめ、金田一耕助シリーズで主演を務めた名優・石坂浩二がスペシャル・トークゲストとして出演し、映画撮影当時のエピソードを語ってくれたのも嬉しい。ゲストボーカルとして松崎しげるとダイアモンド☆ユカイも招かれており、「戦士の休息」や「人間の証明のテーマ」をカバーしていた。
会場ロビーでは「角川映画ギャラリー」と題して、公開当時のポスターやチラシ、台本、市川崑監督ゆかりの品々など、角川映画に関する貴重な資料を多数展示。撮影禁止だったため、金田一の鞄や帽子の写真が撮れなかったのは残念。スケキヨ像も当然のように鎮座していて、大変な行列が出来ていた。
ちなみに「角川映画 シネマ・コンサート」の公式アカウントをフォローし、あるTweetをリツイートすると抽選で10名にプレゼントされる「特製スケキヨお面」5枚セットも当選した。これはこれでレアグッズになりそうだ。