「逆転裁判3」はカプコンの法廷バトルアドベンチャーゲームのシリーズ第3作。殺人事件の容疑者となった大学生時代の成歩堂を、将来彼の上司になる綾里千尋が新米弁護士として弁護する話など、主人公である成歩堂以外のキャラクターを操作するエピソードも収録されている。
プレイヤーは弁護士となって証拠品や証言などの情報を集め、法廷記録をチェックし、矛盾に気づいたら指摘するという基本的な流れは変わらないが、システムがより遊びやすいよう着実に改善されている点は感心した。
従来のキャラクターはもちろん、成歩堂を目の敵にする謎の検事ゴドーや、成歩堂のニセモノ芝九蔵虎ノ助、成歩堂の恋人ちなみにそっくりな尼僧あやめなど、本作でも面白いキャラクターが多数登場するが、一番印象に残ったのは第二話「盗まれた逆転」に登場する自称名探偵・星威岳哀牙だった。「やあれ!」「あいや!」「ズヴァリ!」などの独特の口癖は忘れられない。
ストーリーの方も実によく練られている。ややオカルト色が強くはあるが、必然性のある用いられ方であり違和感はない。多少強引なところ含めて、逆転裁判シリーズの持ち味がうまく活かされていると思う。1作目や2作目で残されていた謎ふくめ、これまでの伏線が最終話できちんと解決されるシナリオも素晴らしく、先が気になって一気にプレイしてしまうほど夢中にさせられた。
シリーズの完結編とも言える本作は、新旧あわせた魅力的な登場人物やテンポのいい会話、過去と現在が複雑に絡み合うストーリーなど、傑作と呼んでも差し支えないと思えるほどの出来栄えだった。次の作品を楽しみに待ちたい。