「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」は、2010年11月25日にスパイクから発売されたPSP用ゲームソフト。奥さんに強く勧められて今ごろプレイしたのだが、ストーリーやキャラクターがとても魅力的で驚いた。余韻がまだ残るうちに、感じたことを書き記しておこうと思う。(ちなみに今回プレイしたのはバグ修正やコンテンツ追加が行われたベスト版の方)
舞台は「超高校級の才能」を持つ者しか入学できないという希望ヶ峰学園。ここに閉じ込められた主人公たちは、お互いの信頼関係を打ち砕く数々の事件に巻き込まれつつ、学園内で起きた殺人事件を捜査していくことになる。
証拠や証言を集め、矛盾を突いて犯人を指摘する部分など逆転裁判に似ている部分もあるが、「学級裁判」と呼ばれるシーンの緊張感や盛り上がりはこのゲーム独特のものだ。事件捜査の内容をもとに生徒全員で議論するなか、限られた時間の中で矛盾した台詞を見つけ、証拠品という「弾丸」で撃ち抜き「論破」する部分は、タイトルにもなっているとおり最大の見せ場となっている。
また、アクの強い登場人物たちの声も本作の魅力のひとつ。キャスティングされた声優はみな素晴らしい演技をしていたと思うが、特に大山のぶ代さんの声は印象的だった。ドラえもんの後に、あんなブラックユーモア溢れるキャラクターを演じるとは……。よく引き受けられたと思う。
高田雅史氏が担当されたBGMも極めて印象的だ。特に「ノンストップ議論」が始まる際にかかる曲は、円卓に並んだ生徒たちをクルクル回転しながら映し出すカメラ演出と組み合わさって、抜群の効果を発揮している。
この作品はグラフィックにも力が入っており、不条理に満ちた世界観を見事に描ききっていた。ややグロテスクな演出もあるため万人向けとは言いがたいが、推理部分はさほど難しくないので、興味を持った方には是非プレイしてみてもらいたいと思う。