LUMIX DMC-GM1K + LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. + Freemod X-CAP2

2018.03.21  渡邉達朗

DSC-RX100M3
ソニーの高級コンパクトデジタルカメラ「DSC-RX100M3」を購入して以来、たえず持ち歩いては風景や料理、人物などいろんなものを撮ってみた。デフォルトのままでは操作性が悪いと感じたので、各種ボタンをカスタマイズしたりもしたのだが、どうしても自分好みの画が撮れていないと感じることが多く、その不満は日々大きくなっていった。

念のため書いておくが、RX100が悪いカメラかといえばまったくそんなことはない。ポケットに収まるコンパクトなボディは持ち歩きしやすく、明るい望遠レンズと高速なAFは対象を選ばない、自由度の高い撮影が行える。このサイズにチルト液晶や有機ELファインダーまで搭載しているのは本当に便利で、ブログ用カメラとして高い評価を得ている理由もよく理解できた。

しかしながら、万人受けする綺麗な写真や動画が撮れることと、自分が求める画を生み出せることはまったく別なのだと、RX100は教えてくれたように思う。写真を撮っては期待外れで悶々とする日々のなか、自分の好みについて改めて考えてみることにした。

LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.
所有する乏しい機材のなかで、一番好きな写真が撮れるのはパナソニックの「LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.」というレンズ。2009年に発売されたこの小型・軽量な単焦点パンケーキレンズは、開放絞り値F1.7で画角が40mm相当(35mm判換算)と極めて実用性が高く、被写界深度の浅さと相まって対象が浮き出るような立体感ある画が撮れる。

一部で神レンズと呼ぶ人もいるほどの素晴らしいレンズだが、単焦点なので万人向けとはいえず、もちろん難点もある。オートフォーカスが極めて遅く、動きのある被写体や動画にはまったく向かないのだ。しかしながら、100gしかない薄型レンズでボケ味を活かした表現やにじみのないシャープな画質が得られるという利点は他に代えがたく、このレンズを中核に新たな相棒を模索することにした。

PEN mini E-PM1
まずは本体。この交換レンズを使うためにはマイクロフォーサーズ規格のカメラボディが必要だ。これまではオリンパスのPENシリーズを好んで利用していたが、そもそもの目的である気軽に持ち歩きたいという観点でみると、相応しい製品はあまりない。そもそも現行モデルには該当するものはなく、2011年に発売された「PEN mini E-PM1」の217gが最軽量となるが、シャッター音を消せないなど目的には合わなかった。

LUMIX DMC-GM1K
ほかにもっと良いものが探したところ、パナソニックが2013年に発売したミラレース一眼世界最軽量モデル「LUMIX DMC-GM1K」に行きついた。最大の特徴は、なんといってもコンパクトなボディ。本体の重さはたった173gと、レンズ交換式としては破格のサイズ感である。軽量かつ剛性感を備えたマグネシウム素材をボディに採用している点も好ましい。

LUMIX DMC-GM1K
LUMIX DMC-GM5
パナソニックからは2014年にEVF搭載の上位モデル「LUMIX DMC-GM5」も発売されているが、EVFのぶん液晶モニタが小さくなってしまっていたので候補から外した。このモデルは背面液晶にタッチパネルを採用しており、タッチによるフォーカス合わせや撮影が可能なため、少しでも大きいほうがよいと考えたのだ。

ダイヤル類は全てアルミの削り出し、渕の部分にダイヤモンド加工を施すなど、質感にもこだわって作られているGM1。調べれば調べるほど欲しくなってきたので、どこで購入できるか調べることにした。この製品も今は製造中止となっており、中古市場で探すしかないためだ。

中野サンモール商店街に「フジヤカメラ店」という1938年創業の老舗がある。新品はもちろん中古も豊富に取り揃えており、ここで希望するシルバーのボディが見つかった。自分のレンズを付けて試用させてもらうと、思わず笑みがこぼれる。まさに希望どおりのサイズ感。撮れる写真も素晴らしい。

改めて店員に注意事項などを確認すると、箱はないが付属品に欠けはなく、本体も美品でキズなど見当たらないとのこと。これまで使っていたボディを下取りしてもらうことで、なんと1万円ほどで購入できてしまった。中古市場は一期一会なので、本当にいい買い物ができたと思う。

RX100とGM1
帰宅後、改めて手元に揃ったRX100とGM1をじっくりと比べてみることにした。ボディだけ比べるとほとんど同じくらいの大きさというのに改めて驚かされる。厳密にはレンズ部分の出っ張りがRX100の方が薄いが、GM1もレンズ交換式とは思えないほど小さい。重量に関しては両者にほとんど差はなかった。

続いて撮影時の操作性や画質についてチェック。交互に操作すると、これまで以上にRX100の方がもたつく印象がある。一方GM1はタッチパネルによる操作の反応がよく、想定していた以上にタッチフォーカスが使いやすいことに驚かされた。GM1は本体に手ブレ補正機構を内蔵していないのだが、タッチした場所にフォーカスを合わせそのまま撮影するタッチシャッターを使うことで十分補えそうだ。

また、コンパクトデジタルカメラで撮影時にレンズがせり出す動作や音が自分は嫌いなのだが、GM1に単焦点レンズという組み合わせだとそんなプロセスも不要で気持ちがいい。RX100のAFが特定の条件下でピントがずれる点や、RX100の電源ボタンよりGM1の電源レバーの方が使いやすい点など、細かな違いも含めて比較検討した結果、自分はもうRX100を使うことは無いだろうと判断した。

高い評価を得ているRX100だけに、購入した地元のカメラ店に売却しようと持ち込んだところ、お店の方にはかなり驚かれた。しかしながら、RX100を使っていてAFの特性や撮れる画がどうにも気に入らなかったことや、GM1を購入し比較検討して決めたことを伝えると、「それは比較する相手が悪い」と苦笑しつつ納得していただけた。通常の中古相場より格段に高い値段で引き取っていただけたことにはすごく感謝している。おかげでGM1の購入費を引いても3万円以上資金が浮いたのであった。

本体とレンズが決まり、残るはレンズキャップの問題である。RX100を選んだ動機のひとつに、撮影のたびにレンズキャップをはずしてポケットに仕舞い、撮影したらまた装着という動作が面倒というのがあった。そもそもレンズキャップをしないというワイルドな人もいるようだが、さすがに毎日持ち歩くのにノーガードというのは不安すぎる。

レンズ保護フィルターだけつけるというのもアリかなと思ったが、ゴーストが発生するといった問題もあり、保護フィルターに傷がつき写真に影響することも十分考えられるので採用を見送った。オリンパスの自動開閉式レンズキャップにも期待したが、特定の望遠レンズでしか使えない代物だった。

Freemod X-CAP2
そんななか、目に留まったのが「Freemod X-CAP2」というレンズキャップ。取り付けはレンズのフィルタースレッドにねじ込むだけ。先端部を引きだせばアルミ製カーテンが開き、戻せば閉まるというシンプルな操作に俄然惹かれた。販売しているオリエンタルホビーは沖縄の会社だがAmazonで購入できた。

届いたX-CAP2をさっそく装着してみると、最後の半回転ぐらいからグニュッとした抵抗感になり、きっちり固定位置を決められるようになっていることに感心した。ギリギリまで薄く仕上げられており、金属製のシャッターを使うなど質感にもこだわっているのが感じられる。これでキャップの紛失も気にしなくてよくなり、今後は快適なスナップ撮影が行えそうだ。

コメントをどうぞ

CAPTCHA


LUMIX DMC-GM1K + LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. + Freemod X-CAP2

2018.3.21

買い物