湯田中・渋温泉郷で父と過ごす年末年始

2020.01.02  渡邉達朗

北陸新幹線
今年の年末年始は富山へ帰省せず、父と二人、長野県にある湯田中・渋温泉郷で過ごすことにした。宿に選んだのは江戸時代に創業した2つの老舗旅館「渋温泉 歴史の宿 金具屋」と「湯田中温泉 よろづや」。開湯1350年以上の歴史を誇る人気温泉地で迎える正月が楽しみだ。

善光寺
「遠くとも一度は参れ善光寺」と江戸時代から伝えられている善光寺。来世・現世のさまざまなご利益があることでも知られている。あいにくの雨模様だったが、せっかく父と長野に来たので参拝することに。宗派の別なく誰でも分け隔てなく受け入れる珍しい寺なのだと父が話してくれた。

信州蕎麦の草笛
信州蕎麦の草笛
昼ごはんは長野駅のステーションビルMIDORIにある「信州蕎麦の草笛」へ。丹精込めて育てた自社栽培のそば粉で作る、本格手打の生蕎麦が名物のこちら。親父が珍しく日本酒を飲みたがったので、天ぷら蕎麦と一緒に注文した。蕎麦はもちろん、親父と一緒に飲む酒は格別にうまく感じる。

渋温泉 歴史の宿 金具屋
最初の宿は1758年創業の老舗旅館「渋温泉 歴史の宿 金具屋」。

渋温泉 歴史の宿 金具屋
渋温泉 歴史の宿 金具屋
渋温泉 歴史の宿 金具屋
映画「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋のモデルとも言われているこちら。登録有形文化財に指定された「斉月楼」など昭和初期の木造建築は歴史と格式を感じさせる。

渋温泉 歴史の宿 金具屋
渋温泉 歴史の宿 金具屋
渋温泉 歴史の宿 金具屋
渋温泉 歴史の宿 金具屋
夕食は地鶏の治部煮の信州仕立て「しぶのじぶ煮」や信州サーモンのお造りなど非常に豪華。

渋温泉 歴史の宿 金具屋
食後は露天、鎌倉、ローマ、岩窟風呂など泉質性状が異なる八つの内湯を満喫した。

渋温泉 歴史の宿 金具屋
老舗旅館「金具屋」で迎えた朝はとても爽やか。

渋温泉 歴史の宿 金具屋
朝食は古来よりの日本の健康食である麦めし+とろろの「麦とろ御膳」。40年以上前からこの健康効果の高い朝食を提供しているのだとか。アツアツの湯豆腐もいただき、心も身体も温まった。

湯田中温泉
「やせがえる負けるな一茶これにあり」「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」。庶民の生活を詠み、今でも多くの支持を集める俳人・小林一茶が愛した地がここ湯田中温泉。長野盆地の東、志賀高原の入り口に広がる温泉地は、昔ながらの宿が建ち並び温泉情緒たっぷりだ。

慈救山 梅翁寺
慈救山 梅翁寺
湯田中温泉街の最上部にある古刹「慈救山 梅翁寺」や足湯に浸かっている珍しいお地蔵様などを父と見て回った。

蕎麦ラーメン
お昼は湯田中駅前にあるお洒落なダイニング「GOEN」でいただく。外国から訪れる方も多いためか、接客がとても丁寧で気持ちがいい。注文したのは蕎麦特有の食感と香りを中華麺に融合させたという蕎麦ラーメン。蕎麦つゆが持つ旨味とラーメンスープのバランスもよく、蕎麦湯まで付く心遣いが嬉しかった。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
開湯1350年以上の歴史を誇る長野県北部の人気温泉地「湯田中温泉」。「金具屋」に続く今夜の宿は、江戸時代の寛政年間に創業した老舗旅館「湯田中温泉 よろづや」。湯田中温泉の顔ともいわれ、200年ものあいだ人々に愛されてきた。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
登録有形文化財に指定された「松籟荘」や、純木造伽藍建築の「桃山風呂」では贅沢な非日常感を味わえる。長寿の湯を愉しむなら広さ・湯量とも長野県随一の「庭園露天風呂」もおすすめ。親父と二人、早めにチェックインして素晴らしい温泉を心ゆくまで満喫した。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
年末年始限定のプランを予約したので夕食は特別懐石。よろづやの板前特製の、お正月だけの特別献立が楽しめるのは嬉しい。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
どの料理も美味しかったが、親父は「信州プレミアム牛肉朴葉包み」を一番気に入ったようだ。

湯田中温泉 よろづや
年末年始は年越しそばを部屋まで出前してくれるサービスがある。旅館でこんな対応をしれくれるなんて本当に嬉しい。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
父と二人、老舗旅館で迎えた元旦の朝はとても爽やかだった。雪が降るという予報だったが、雲ひとつない青空で嬉しい。

湯田中温泉 よろづや
朝食はよろづや板前特製のアレンジおせち料理をご用意いただけた。揚げ銀杏、金柑甘露煮、南京羽子板、瓢箪大根などを林檎釜に盛り付けた「七運七福盛り」が素敵。

ティーサロン都
元旦の湯田中温泉郷を親父とぶらぶら散歩。閉まっている店が多いが、それも正月ならではの特別な景色で情緒がある。昼は湯田中駅前にある昭和レトロな喫茶店「ティーサロン都」でいただくことにした。カウンターにいる常連がまるで店の人のように丁寧に対応してくれるのが純喫茶らしくて良い。

ティーサロン都
ティーサロン都
ティーサロン都
親父はドライカレー、自分はハムたまごサンドを注文。サイフォンで一杯ずつ丁寧に入れてくださった炭焼珈琲が美味しかった。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
老舗旅館「湯田中温泉 よろづや」で親父と二人、元旦から素晴らしい温泉を心ゆくまで満喫し、しばし部屋でぐったり。夕食はよろづやの板前特製の正月限定特別献立。どの料理も美味しく、親父は「林檎で育った信州牛しゃぶしゃぶ」を特に褒めていた。

湯田中温泉 よろづや
湯田中温泉 よろづや
湯田中・渋温泉郷で父と二人で過ごす年末年始も、あっという間に最終日。老舗旅館「湯田中温泉 よろづや」で最後の朝食をいただく際、とても丁寧に見送ってくださり感激した。

長野電鉄の観光特急「ゆけむりのんびり号」
長野電鉄の観光特急「ゆけむりのんびり号」
湯田中から長野への移動は長野電鉄の観光特急「ゆけむりのんびり号」に乗車。小田急ロマンスカーとして活躍していた車両が現役で人々を楽しませているのが嬉しい。

北陸新幹線
長野駅近くのレトロな喫茶店で軽食をつまんだ後、新幹線ホームへ父を見送りに行く。年末年始を一緒に過ごしたあとはいつも名残惜しい気持ちになるが、今年もやたら感謝されて照れくさかった。

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2020.1.2

和食, 旅行・観光, 長野