SPEC

2010.12.18  渡邉達朗

SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿

「SPEC ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」は2010年にTBS金曜ドラマ枠で放送されたテレビドラマ。捜査一課が手に負えない特殊な事件を捜査するために、警視庁公安部は未詳事件特別対策係、通称「未詳(ミショウ)」を設立。IQ201の天才であり変人の当麻紗綾(戸田恵梨香)と、警視庁特殊部隊 (SIT) 出身で叩き上げの瀬文焚流(加瀬亮)の2人の捜査官が、常人にはない特殊能力(SPEC)を持った犯人と対決する姿を描く。

刑事ドラマ「ケイゾク」と同一の世界観であり、堤幸彦や西荻弓絵ら同作品の主要スタッフが本作品にも携わっていると耳にし放映を楽しみにしていた。当初「ケイゾク2」と呼ばれていただけあって、竜雷太や徳井優は同一人物を演じており、特に竜雷太演じる野々村係長は今回も二面性のあるキャラクターと名台詞連発で楽しませてくれる。

ほぼ一話完結方式で進む物語は、中盤から拘置中の予知能力者・冷泉俊明(田中哲司)拉致未遂事件などにより、SPECホルダーたちによる秘密組織の存在が判明し、それに対抗し殺人なども含む非合法の治安維持を行う公安零課の暗躍などが描かれる。

主演の戸田と加瀬のやりとりは十分に魅力的であったのだが、一番印象に残っているのは神木隆之介演じる「一十一(にのまえじゅういち)」という謎の少年だ。時を止めるSPECを持ち、敵対関係となったSPECホルダーを次々と始末する冷徹な暗殺者。性格は傲慢かつ不遜で、当麻とも浅からぬ因縁があるなど、非常に魅力的なキャラクターであった。

意味深なキーワードで観る者の好奇心を激しく揺さぶり、破天荒なキャラクターや先読みできないストーリー展開で人気を博した本作は、果たしてどんな結末を迎えるのか? ぜひその目で確かめていただきたい。

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2010.12.18

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