東京都唯一の村・奥多摩檜原村の知る人ぞ知る桜の名所「人里バス停」。檜原村は標高が高く気温が低いため、都心より一ヶ月ほどずれ今が花見頃となっている。
バス停の待合所が一本の枝垂れ桜に埋もれている様は大変美しく、来てよかったと思った。
人里バス停を訪れた際におすすめなのが、すぐ近くにある「まい酵母パン たなごころ」。
自然に恵まれた西多摩郡でオーガニックな材料と自家製酵母を使ったパンを提供している。
南秋川を真下に望むウッドテラスで、おかめ笹の籠に焼きたて酵母パンを載せていただく。川のせせらぎと小鳥たちのさえずりを聴きながら。湧き水で入れた珈琲と食べるパンは最高だった。
緑ふかい山々に抱かれた東京都唯一の村、奥多摩檜原村。南北朝時代の落人伝説を秘めた数馬の里に、立派な茅葺き屋根の「兜家旅館」がある。平成最後のGWは都会の喧噪を離れ、古民家の宿でのんびりと過ごすことにした。
数馬地区の富士系合掌造りの建物は、その屋根の形から兜造りといわれ400年の歴史を持つ。ここ兜家は築250年を数え、外観だけでなく太い梁や高い吹き抜けなど見どころは多い。昭和40年代までは養蚕も行われ、屋根裏にはお蚕さまがいたという。
今回宿泊したのは囲炉裏のある広々とした二間続きの部屋。
夜は囲炉裏に熾された炭火を囲む贅沢な食事や、こだわりの日本酒を楽しめる。
ふきのとう・わらび・ふき・のびる・うどなど春の山菜はどれも美味。
炭火でじっくり焼き上げたヤマメの塩焼きも身がふわふわで絶品だった。
「兜家旅館」で迎えた朝はとても爽やか。
温泉につかってさっぱりしたあとは、玄関で行われる餅つきに参加。
朝食はすいとん汁とお餅が食べ放題。つきたてのお餅はやはり美味しい。
最近ドローンに凝っておられるご主人は、旅館のサイトや印刷物もご自身で作られているのだとか。自分がWeb制作の仕事をしていることを伝えると、HTML手書きしてるとかいろんな話で盛り上がる。今日は「檜原都民の森」に行く予定だと伝えると、とても丁寧に見送ってくださり嬉しかった。
奥多摩三山の最高峰である三頭山の中腹に位置する「檜原都民の森」。バリエーション豊富なハイキングコースを楽しむことができる広大な森林施設。「森林セラピーロード」という森林館から三頭大滝までの遊歩道がおすすめ。ウッドチップが一面に敷かれているので歩きやすく、眺望も素晴らしい。
三頭大滝には滝見橋があり、落差30mの名瀑を間近で見ることができた。