この週末は上高地・飛騨高山・白川郷を巡る一泊二日の旅に出かけてきた。初日は東京を早朝に出発し上高地へ。鏡面のような美しい水面に、雄大な穂高の姿を映す大正池の眺めが素晴らしい。
上高地は遊歩道が綺麗に整備されているところも多く、迷わなくて助かる。
標高2455メートル、長野県と岐阜県の県境にある北アルプス唯一の活火山・焼岳。
田代湿原の奥に連なる穂高連峰が実に見事。思わずため息がこぼれる。
田代池は水の透明度が高く美しい。
梓川沿いコースを進み河童橋へ。
道中、素晴らしい景色に何度も目を奪われる。
霞沢岳と六百山を望む梓川のほとりに、日本アルプスを世界に紹介し、日本近代登山の父と言われるウォルター・ウェストンのレリーフがあった。
上高地のシンボルとして人気がある河童橋。その名の由来は、昔ここに河童が住みそうな深い淵があったとか、衣類を頭に乗せて川を渡った人々が河童に似ていたからなど諸説あるが定かではない。
河童橋下から梓川下流方向をしばし眺める。
同じく河童橋から、梓川上流方向の眺め。山々が実に美しい。
昼食は上高地食堂で信州松本奈川産の手打ち蕎麦とアツアツのおでんをいただく。観光地の食堂なのであまり期待していなかったが、予想外に美味くて驚いた。
上高地の次は飛騨高山へ。旧高山市中心部は江戸時代以来の城下町・商家町の姿が保全されており、その景観から「小京都」と呼ばれている。
城下町の中心、商人町として発達した上町、下町の三筋の町並みを合わせて「古い町並」と呼んでいるのだとか。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているだけあって、低い軒に紅殻格子の町家が整然と連なっており美しい。
全国で唯一残っている郡代、代官所として有名な高山陣屋を見物。
飛騨地方隋一の古刹・国分寺を訪れたあと、今夜の宿へ。
夕食はぎせい焼、錦玉子、野菜掻揚げなどの前菜禄種寄せからスタート。
御造里は飛騨泉ふぐ、鮪、サーモン。
御凌ぎはなめこ入り蓬うどん。焼物はサーモンの白酒焼。
強肴は飛騨牛煮込み鍋。地元特産の飛騨牛を、出し汁と共に煮込んであり実に美味しい。
茶碗蒸しはほんのり赤みがある。
止皿は飛騨高山の伝承料理「生盛膾(いけもりなます)」。中央にある豆腐の練り潰したものを全体にかき混ぜ、白和えにして五味五感を味わう。江戸時代から続く宗和流懐石料理の一品。
夕食後、館内にある土産物売り場へ。内装が凝っており、見て回るのが楽しい。
「大吟醸・氷菓酒」や「氷菓米」を発見。飛騨高山が「氷菓」の舞台とは知らなかった。
二日目。飛騨高山は今日も快晴。
朝食バイキングは和食をセレクト。肉じゃがは飛騨牛が使われていて美味しかった。
世界遺産に登録されている「合掌造り集落」で有名な白川郷に到着。「ひぐらしのなく頃に」の舞台である雛見沢村のモデルとなった場所なので、前から一度来てみたかったのだ。
展望台から白川郷の全景をしばし眺める。ひぐらしの鳴き声が聴こえてくるような、素晴らしい景色。
坂道を下っていくと、左手側に梨花ちゃんハウスこと梨花と沙都子の家を発見。
園崎本家こと、国指定重要文化財の和田家。築後約300年が経過した今も生活が営まれ続けているそう。白川郷の代表的茅葺き合掌造り住宅であり、萩町合掌集落で最大規模を誇る。
建物を高層にして、両妻に明かり窓を設けた合掌びとの知恵。生業の維持のための空間は、階下のいろりから立ちのぼる暖気により適温が保たれていた。
和田家は庭も美しい。
移動する途中、庄川にかかる赤い吊り橋が見えた。
古手神社のモデルとなった白川八幡神社に到着。
ひぐらしファンが奉納したイラスト入りの絵馬がたくさん並んでいた。
白川郷ではあちこちで懐かしくも美しい日本の原風景が楽しめる。
日差しが強く、屋内で落ち着ける場所を探して歩いていると、「落人」という合掌造りの喫茶店を見つけたので中に入ってみた。
入口には大きな犬がのんびり寝ていて微笑ましい。
店内はこんな感じ。お店の方も気さくで、実に雰囲気がよい。
天然の湧き水で淹れる珈琲が名物の喫茶「落人」。囲炉裏で炊いたぜんざいが、なんとおかわり自由で楽しめる。
ぜんざいの鍋が置かれた囲炉裏。
店主と話していると、ふいに「これ知ってる?」と見せてくれたのが、なんとワンピースの作者である尾田栄一郎氏が描いたチョッパーのイラスト。接客された奥様は漫画家とは知らず、「絵が上手ねぇ~」と言ったのだとか……。
尾田氏が気に入ったので「ワンピース」第566話の扉絵にこのお店が登場したとのこと。偶然こんなお店に入ることが出来てよかった。
上高地・飛騨高山・白川郷を巡る一泊二日の旅、終わってみると本当にあっという間だった。すごく楽しかったので、ぜひまた訪れてみたいと思う。
あと、今回ブログに掲載した写真は7割くらいがiPhoneで撮ったもの。改めてスマートフォンのカメラは性能が良く、晴れた屋外であれば綺麗な写真が撮れるのだなと感じた。