世界中に熱狂的ファンを持つ士郎政宗のSFマンガを、押井守監督が「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」として劇場アニメ化したのは1995年。数々のハリウッド映画に多大な影響を与えたこの作品から7年後、内外からの続編を期待する声に応える形で企画されたのが、テレビシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」である。
脳の電脳化技術により、個と個がつながれるようになった近未来。様々な電脳犯罪を防ぐための超法規的特殊部隊・公安9課の活躍を描く本作では、一話完結の物語と「笑い男」と呼ばれる電脳ハッカーが起こす連続テロ事件の連作物語が織り交ぜられて構成されている。
神山健治監督が手がけたテレビシリーズは映画版とは異なり、近未来を舞台にした刑事ドラマという感じで難解さが極力抑えられているように感じる。3DCGが多様されているが、とてもうまく取り入れられており違和感は少ない。予算やスケジュールに余裕を持って作られているだけあって、一話一話の完成度も非常に高いと思う。菅野よう子の音楽も素晴らしかった。
2004年にはシリーズ第2弾となる「攻殻機動隊 S.A.C.2nd GIG」が制作され圧倒的支持を獲得し、2006年には第3弾としてOVA「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」も制作されている。映画版よりも娯楽性が高いので、入門編として楽しむのも良いのではないだろうか。