iPhone X

2017.11.12  渡邉達朗

iPhone X
10月27日16:01から予約が始まった「iPhone X」。今回もau Online Shopで自宅へ直接配送してもらう形にした。初日の16:12に予約したおかげか、もう手元に届いたことを考えると、報道されていたより「iPhone X」の初期生産量は改善されていたのだろう。

なお、機種変更時に契約プラン変更も行ったのだが、あいかわらず携帯電話の料金プランは難解だなと思わされた。新旧さまざまなオプションが選べるようになっており、どれも一長一短あるため、自分にとって最適なものを決めるのは本当に難しい。

結局、データ利用量に応じて利用料金が変動する「auピタットプラン」に、1回5分以内までの通話がかけ放題になる「スーパーカケホ」、13カ月目以降の機種変更時に分割支払金残額が無料となる「アップグレードプログラム(a)」という組み合わせにした。

iPhone X
初代iPhoneからずっと変わらなかったホームボタンをとうとう廃止した「iPhone X」。Appleにとってはこれまでの10年の歴史を踏襲しつつ、新たな10年に向けて作られた重要な意味を持つ1台といえる。

実機を手に取った際の第一印象は、とにかく画面が綺麗でサイズ感がちょうどいいというものであった。初採用となるOLED(有機EL)ディスプレイは2,436×1,125ピクセルで458ppiという高解像度を持ち、100万:1のコントラスト比を誇る。写真を全画面表示してみると、印刷したものを貼り付けたモックアップにしか見えないほどだ。

黒の再現や色の鮮やかさといったOLEDならではの特性はありつつ、あくまで自然で正確な表示になっているのはさすがAppleといったところか。これまで使っていた「iPhone 7 Plus」の液晶も十分綺麗だったが、それよりも格段に美しく、初めてRetinaディスプレイを見たときのような感動があった。

これまでで最も大きい5.8インチのディスプレイを搭載しながら、本体サイズは小さいままなので、いいとこ取りしたいユーザーの心を射抜く魅力を備えている。なお、OLEDでは明るい色の発色が電力を消費するため、背景は暗い方がバッテリー消費を抑えられるのだが、UIを白ベースのまま変えていないのもAppleらしいこだわりなのだろう。

iPhone X
ホームボタンがなくなったことで、もう1つ大きく変わったのが顔認証技術「Face ID」の採用だ。画面の上部にセンサーハウジングと呼ばれる出っ張りがあり、ここに「Face ID」用のTrue Depthカメラやセンサーを凝縮している。

iPhone X
「Face ID」はカメラに写った顔を認識しているわけではなく、顔にドットパターンを投影し、それを赤外線カメラで読み取っている。だから真っ暗な部屋でもきちんと顔認識ができるし、写真でロックを解除しようとしても通用しない。手袋をしたまま解除できるのは本当に便利で、慣れれば違和感もまったく無くなると思う。

「iPhone X」にはディスプレイの上下左右にiOSの占有領域が存在し、それ以外をセーフエリアと呼ぶようだ。有機ELディスプレイの黒は一切光を放たないため、このセーフエリアに写真が納まっているときは周囲の黒塗り部分が浮き立つこともなく、センサーハウジングの切り欠きは思ったより目立たない。

しかしながら、写真や動画を拡大したときの違和感はかなりある。初めてデザインを見たときからダサくて邪魔だと思ってはいたが、正直もうちょっと何とかならなかったのだろうか。セーフエリアの処理専用にApple独自のCSSも追加されているが、仕事で使いたいとはまったく思わない。

iPhone X
完全にデザインリニューアルされた「iPhone X」は背面も美しい。iPhoneの文字以外一切書かれていないガラスコーティングの背面はエレガントで、デュアルレンズカメラの突起は縦方向に並ぶ形に変更された。望遠カメラにようやく光学手ぶれ補正が付き、f2.8からf2.4へレンズが明るくなったのも嬉しいポイントだ。望遠や被写界深度エフェクトで撮影するのがますます楽しみになった。

「iPhone X」といえば、これまでホームボタンで行っていた操作がどう変わったのか気になる方も多いだろう。最初は戸惑うこともあったが、人間とはよく出来たもので、しばらくすると新しい操作方法にすっかり慣れてしまった。

ホームへ戻るための操作は画面の下に表示される白いバーを上方向にスワイプ。アプリの切り替えは白いバーを上にドラッグしたまましばらく待てばよい。アプリの強制終了だけは操作の手間が増えたので気に入らないが、それ以外は特に問題なく受け入れられると思う。

初代iPhoneが発表されたときスティーブ・ジョブズは“携帯電話を再定義する”と語ったが、「iPhone X」は“iPhoneを再定義する”とも言える内容で、次世代と呼ぶにふさわしいiPhoneに仕上がっていると改めて実感した。新しいもの好きな人はもちろん、それほどこだわりの無い人でも、これまでと全く異なる「iPhone X」の体験は魅力的に映るだろう。

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