さわやかのハンバーグが食べたい。そんな奥さんの一言から、急遽今週末は浜松へ出かけることになった。
東京から浜松へは東海道新幹線「こだま」N700系のグリーン車でゆったり移動。「EXこだまグリーン早特」を利用すると普通車の指定席より安いのが嬉しい。
車中のお供は「たいめいけん」のチキンライス弁当。チキンライスにフライドチキン、エビフライ、エビグラタン、ナポリタン、コールスローなど洋食の定番をぎっしりと詰め込んだボリュームの満点のお弁当で、お腹いっぱいになった。
豊橋鉄道渥美線は大正13年開業の老舗ローカル電車。新幹線の停車する豊橋駅から、渥美半島の玄関口である三河田原駅まで35分で結ぶ。桜、菖蒲、椿など編成ごとに異なる花の名と色がつけられているのが素敵。
知らない街で地元の人しか利用しない電車に乗るのは旅情を感じられて好きだ。
創業1977年の「炭焼きレストランさわやか」は静岡県内のみに店舗を持つハンバーグレストラン。
静岡県民のソウルフード「げんこつハンバーグ」は備長炭で表面は甘くこんがり、中は肉汁たっぷりに焼き上げた逸品。テント張りのオープンキッチンからジュウジュウと香ばしい匂いにのってテーブルへ運ばれてくる。
目の前で豪快に仕上げの調理をされた牛肉100%のハンバーグは噛めば噛むほど肉の旨味が広がる美味しさ。ファミレスらしいリーズナブルな価格で、こんな素晴らしいハンバーグが食べられるなんて静岡の人が本当に羨ましい。
浜松で一夜を過ごすのは、JR浜松駅前にそびえる超高層ビル・アクトタワーの中にある「オークラアクトシティホテル浜松」。32階から44階に配された客室は、南は遠州灘、北は南アルプスが一望できる。ホテルの好意で50平米もあるコンフォートデラックスツインに少額でアップグレードできたので、大きく設けられた窓から抜群の眺望を楽しめた。
客室でしばし休憩したのち、浜松に来たからには餃子も食べておかねばとふたたび夜の街へ。お目当ての「むつぎく」は残念ながら完売していたので、今年オープンしたばかりの「浜松餃子まるいし」を訪れた。全国1位の国産豚「浜名湖そだち」を使うなど、こだわりの餃子を提供しているこちら。皮はパリッと焼きあがっており、にんにくたっぷりの餃子ともやし、ビールの組み合わせは絶品だった。
「オークラアクトシティホテル浜松」で迎えた朝はとても爽やか。今日も清々しい天気で嬉しい。
多数のうなぎ専門店が並ぶ浜松。うなぎ養殖発祥の地とも言われる浜名湖のうなぎは、出荷数もおいしさもピカイチ。海山川など自然に恵まれた環境、きれいな水、晴天率の高い温暖な気候と環境で育てられたうなぎは、うま味が詰まっているのだとか。
今回訪れたのは、ふっくら美味しい浜名湖の鰻をリーズナブルに食べられる「浜名湖うなぎ 丸浜」。安さの理由は、浜名湖養魚漁業協同組合の直営店ということ。厳選された浜名湖うなぎは肉厚で脂もよくのっており、口の中でとろけるような触感を醸し出す。
関東風の料理法でよく蒸してから焼き上げた「うな重」は味も食感も素晴らしかった。
美味しい鰻を満喫したあとは浜名湖へ移動し、日本で唯一の湖上を渡る「舘山寺ロープウェイ」に搭乗。
ロープウェイからの絶景を楽しんでいると、あっという間に浜名湖をぐるり360度見渡せる展望台へ到着した。
遠くに望む太平洋、静かに波打つ浜名湖、自然豊かな大草山。爽やかな風を浴びながら眺める景色は最高だった。
帰りの新幹線まで余裕があったので、徳川家康が17年に渡り過ごしたとされる「浜松城」へ向かう。藩政260年の間に25代の城主が誕生し、在城中に幕府の要職に就いた者も多くいたことから「出世城」の呼び名でも広く知られている。なにかご利益があるといいのだが。
浜松駅へ戻るとまだ少し時間があり、浜松餃子の元祖と呼ばれる「石松餃子」に立ち寄った。昭和28年創業の老舗が提供するあっさりジューシーな焼き餃子は絶品。
静岡県でしか飲めない「静岡麦酒樽生」との相性も抜群だった。
浜松で過ごした二日間はとても楽しかったので、ぜひまた訪れてみたいと思う。