祖父が日本海軍の軍人で終戦前に亡くなったという話は以前から度々耳にしていた。その影響か父は軍艦が好きで、次は横須賀に行きたいというので旅行を計画した。
富山から新幹線で東京まで来た父を出迎え、一緒にお昼を食べてから横須賀へ移動。三笠公園を散歩する予定だったが、あいにくの雨模様のためホテルで休むことにした。
初日の宿はフランスに拠点をおくアコーが展開する「メルキュールホテル横須賀」。建物は日本を代表する建築家・丹下健三氏がデザインを手掛けている。
近くに米軍横須賀基地、三笠公園、猿島、ヴェルニー公園などがあり観光に最適。ホテル裏手のどぶ板通りではアメリカンなお店で異国の雰囲気を味わえる。
夕食は三浦大根のポタージュや鮪頬肉のムニエルなどオリジナリティのあるフレンチ。子羊腿肉のブランケットを味わいつつ、二人で19階レストランからの眺望も楽しんだ。
旅行2日目は日本で唯一の軍港クルージング「YOKOSUKA軍港めぐり」でスタート。海上自衛隊の艦船基地やアメリカ海軍第七艦隊の基地がある横須賀の港を船で巡る。
空母や潜水艦を間近で見た父の満足した様子にホッとした後、今夜の宿がある湯河原温泉へ向かった。
東京の奥座敷・湯河原温泉は昔の温泉風情が残る数少い街のひとつ。明治の文豪たちから愛され、多くの作品が生まれた宿がひっそりと佇む街。
そんな街の一角にあるのが「湯河原温泉 ふきや旅館」。数寄屋の和のしつらいに快適さを兼ね備えた客室は居心地抜群。
湯河原の源泉を貸切露天風呂など七つの湯巡りで愉しめる。
湯河原近海の相模湾の海の幸を使った日本料理もこちらの名物。ミシュラン一つ星のこだわりの料理を安心の部屋食でいただけるのが嬉しい。
美しい桜の八寸に始まり、酒蒸しでふっくら仕上げた桜鯛のお椀、鰹と鯛の刺身、ミル貝に海苔とジュレ、早掘り筍の煮物、白魚柳川鍋、伝助穴子の酢の物、筍ご飯と美味が続く。
中でも感動したのが、今が旬で旨味のある桜鱒のふっくら照り焼き。パリパリの皮が絶品だった。
旅行3日目の宿は横山大観画伯が常宿とした、熱海山王山の中腹に佇む老舗宿「大観荘」。その名の通り、最上階の特別室から見渡す相模湾の雄大な眺めは実に素晴らしい。
一万余坪の敷地内には美しい庭園と数寄屋造りの客室、二本の源泉を有する湯殿がある。
浴槽と相模湾をひとつながりにするインフィニティ風呂が素晴らしく、早朝に父と二人で海を眺めながら温泉に入れたことは、今回の旅の中でも屈指のいい思い出となった。
選び抜かれた器と職人の技が美しく調和した京風懐石も自慢のこちら。花見団子見立ての酒肴、桜餅真丈、鯛姿焼き、黒毛和牛の蕨鍋などどれも美味しかった。
2023/03/25 at 18:22
素敵なブログありがとうございます。
読んでいてとても心温まりました。
親孝行の良いあり方に涙腺が止まりませんでした。
私も故郷を離れ愛知&三重で働いていたことがあります。親を呼んで観光でもと思っていたことは何度かありましたが、実現できたのは2回でしたが。
今度職場の若い子(大卒二年目)が横浜に1か月出向します。
ここは行っといたほうが良いよという場所がありましたら是非教えていただけると助かります。
これからもブログ楽しみにしております。
2023/04/07 at 14:18
@れんげさま
丁寧なコメントをいただき、ありがとうございます。(´∀`*)ノシ
拙いブログですが、喜んでいただけたようで書いていて本当によかったです。
自分も母を亡くすまではまったく親孝行できず、面倒ばかりかけておりました。
その分いまは少しでも時間を作って父と過ごせるようにしておりまして……。
横浜について詳しいわけでもないのですが、先日行ったGUNDAM FACTORYはとっても楽しかったですよ。