2018年に発売された「iPhone XS Max」を長年愛用してきたのだが、さすがに経年劣化がひどく日常使いに支障が出てきたので「iPhone 14 Pro」へ買い替えることにした。
支払いはとっくに終わっているのに4年間も機種変更しなかったのは、iPhoneの新機種に魅力を感じられなかったためで、逆に言えば「iPhone XS Max」は完成度の高い端末だったのだと思う。
スマホもなかなか性能は進化しづらくなってきたし、さらなる逆風として円安がやってきたこともあり、買い替えを見送った人も多いであろう。そう高を括ってApple Storeで予約したら、一か月待ちと表示されてビックリした。高くても買う人は買うらしい。
予定より早く、半月ほどで実物が手元に届いてまず驚いたのは箱が薄くなっていたこと。そういえば電源アダプタを同梱しなくなったのだった。箱が小さくなったことで開けやすくなったのはいい変化。箱から取り出し、いそいそとセットアップを始める。以前はなかったクイックスタート機能で簡単にデータ移行できるのは楽だ。
「iPhone 14 Pro」を手に取ってまず違和感を覚えるのは、本体から大きく飛び出た巨大なレンズ群だろう。背面にあるカメラモジュールは1200万画素超広角(13mm)、4800万画素メイン(24mm)、1200万画素3倍望遠(77mm)という3基。最も大きく進化したメインカメラはその高解像度をいかして光学相当の2倍ズームも可能にしており、この48mmという画角はテーブルフォトなどにとても使いやすいと感じた。
背景ボケが使えるポートレートモードも、以前より各段に自然さが向上しており好印象。手前までボケるのは技術の進歩を感じる。明るく高画素のセンサーと最先端の画像処理が生み出す写真はこれまでとは明らかに別物で、旅に出かけたりしていろんなものを撮影したいと思う。
カメラの次に気になるのは、iPhoneのアイデンティティーになっていたノッチの代わりに採用された「Dynamic Island」だ。名前のとおり画面上に浮かぶ黒い孤島であり、インカメラ等でディスプレイが黒く欠けてしまうのを逆手に取った機能といえる。
iPhoneの状況に応じて、黒い帯が滑らかに左右に伸びたり上下に広がったりして情報の窓を生成するため、操作しているとそこにあるカメラなどの存在を忘れさせてくれた。今後より多くのアプリが対応してくれることに期待したい。
常時表示ディスプレイも地味に便利な機能。ロック画面の輝度を下げつつ通知や時計といった主要な情報をそのまま表示しておけるもので、ディスプレイを下に向けて置いたときや、カバンやポケットに入れるときは勝手に無効化される。リフレッシュレートも1Hzになるので電池の消費はかなり抑えられそうだ。
最後に持ちやすさ。これはもう「iPhone XS Max」より格段に持ちやすい。ステンレススチールのフレームとすりガラスのような質感の背面を採用していて高級感も抜群。いつもApple純正のレザーケースを着けて使っているが、ケースなしで使いたくなるほど質感が高かった。Magsafeも初めて利用するので、対応するアクセサリをいろいろ買って試すのを楽しみにしている。